あつみ子ども会と行く 東白川村ツアー ~サントリー天然水の森と伐採・製材見学~

後藤木材の本社の近くに位置する厚見地区の子ども会の皆さんと、東白川村へ「木のふるさと」を訪ねる一日ツアーに行ってきました。
案内してくださったのは、東白川村役場 産業建設課の田口さん、地域おこし協力隊の野田さん、そして東白川製材協同組合の今井工場長です。
子どもたちと一緒に、森・伐採・製材の3つの現場を巡りました。
サントリー天然水の森へ

最初に訪れたのは「サントリー天然水の森」。サントリーさんは「美味しい水は、美味しい森がつくる」という考えのもと、水源地である東白川村で森づくりに取り組んでいます。
田口さんからの最初の質問は「雨と地下水、どっちが美味しい?」というもの。地下水は土の中にしみ込んでから、東白川村を出て犬山あたりに流れ着くまで、なんと20年ほどかかるのだそうです。一方、雨がコンクリートの上に降ると土にしみ込む場所がなく、下水道へと流れ込みます。先日名古屋で起きた浸水も、雨水が行き場を失って下水があふれたことが原因だと聞き、子どもたちも「森がないとこうなるんだ」と実感していました。
森は雨を静かにしみ込ませ、時間をかけて濾過しながら、きれいな地下水をつくります。それだけでなく、木は二酸化炭素を取り込んで酸素をつくる働きもしています。畑と違って森には肥料をまきませんが、土の中の微生物が養分をつくり出し、多様な草花とともに木々を育てているのだそうです。
深呼吸をして森の空気を吸ってみると、子どもたちからも「気持ちいい」の声。森には天然のセラピー効果があり、悩んだときには木に抱きついてみるといい、という田口さんの言葉も印象的でした。
こうして水源の森を大切に守り育てることは、きれいな水を未来へつなぐだけでなく、大雨のときに水を受け止め、川や下流の暮らしを守ることにもつながっています。東白川村の森は、私たちの目に見えないところで、ずっと暮らしを支えてくれているのです。
伐採見学 ~木が倒れる瞬間~

続いて、斜面に生えた杉の伐採を見学しました。木こりの方がチェンソーを構えると、脳が震えるような切断音とエンジン音が森に響き渡ります。しばらくすると「いいよー」の合図。木は私たちのいる方向へ、
メリメリ…ドシャーン!
と大きな音を立てて倒れました。まるで雷が落ちたかのような衝撃で、その場にいた全員から驚きと恐怖の声があがりました。倒れた木からは強烈な木の香りが漂い、切ったばかりの木の生々しさを肌で感じることができました。

木こりの方は「大変な仕事だけれど、この自然や故郷で仕事ができることが生きがい」と話してくれました。危険と隣り合わせの仕事にまっすぐ向き合う姿は、子どもたちの目にもとてもかっこよく映ったようです。

その後は丸太切り体験。使ったのはひのきの丸太です。のこぎりを入れると、お風呂や升でおなじみの、少し酸味を帯びたひのきの香りがふわりと立ちのぼります。アロマオイルのような上品な香りというより、もっと野趣的でみずみずしい香り。初めてのこぎりを握る子どもたちは一生懸命に丸太を切り、切った丸太はそのままお土産に。「大きいのが欲しい!」と重たい丸太を頑張って持ち帰る子も多く見られました。

森の中では、自生する木の葉っぱ比べも行いました。チクチクする葉はスギ、平べったい手のひらのような葉はヒノキです。ヒノキは油分を多く含みよい香りがすることから「火の木」が転じて名付けられ、スギはまっすぐ育つ姿から「すぐ」が語源になったと言われています。
森の中に入り、目を閉じて30秒。小鳥の声、川のせせらぎ、虫の音…子どもたちは思い思いの音に耳を澄ませました。聞こえていた川の音は、まさに私たちが最初に学んだ「水源」の音そのものです。
製材工場見学 ~丸太が四角い木材になるまで~

最後は東白川製材協同組合の製材工場へ。運ばれてきた丸太は、まず皮をむかれ、「元口(もとくち)」と「末口(すえくち)」で自動的に振り分けられます。元口は木の根に近い、太く年輪の詰まった側の切り口、末口は木の先端に近い、少し細くなった側の切り口のこと。この太さや形の違いによって、どんな部材に加工するかが決まっていきます。

その後、帯のこで柱や板へと切り分けられ、皮などの端材はチップに生まれ変わります。切り出された木材は巨大な乾燥炉でじっくりと乾燥され、ようやく住宅で使える木材になっていきます。

今井工場長いわく、東白川村の山は手入れがとても丁寧なため、「死に節」と呼ばれる黒い節が少なく、見た目にとても美しいのが特長とのこと。「東白川村のヒノキが一番きれいだ」と胸を張っていたのが印象的でした。
丸い丸太が、四角い木材へと姿を変えていく様子に、子どもたちも「うるさかったけど、変わっていくのがすごかった」と驚いていました。
子どもたちの声
ツアーの最後に、印象に残ったことと、これから木とどう関わっていきたいかを聞きました。
- 木が倒れてくるときは迫力があってすごかった
- 葉っぱにはいろいろあって、形が違ったり匂いがついていた
- 製材工場は音がうるさかったけど、丸い木から四角い木になる様子に驚いた
- 仕事の大変さが分かって、木のものを大切に使いたいと思った
- 木は国産を選びたいと思った
- 木と一緒に過ごしたい
- 森にはいろいろな役割があって大切にしたいと思った
- 使えば使うほど森が豊かになることが分かった
- 木材はこれからの未来に必要だという事が分かった
おわりに
森で水が生まれ、木こりの手で木が伐り出され、製材工場で家の材料へと姿を変えていく――今回のツアーで子どもたちが目にしたのは、まさに「木のいのちのバトンリレー」でした。
そして、このバトンは家づくりだけでなく、もっと身近なところにもつながっています。

今回子どもたちが香りを楽しんだヒノキは、後藤木材の「IKONIH」シリーズのおもちゃにも使われています。
丸太切り体験でお土産に持ち帰った木片のように、ヒノキは切ってもなお、あの澄んだ香りとあたたかな手触りを残してくれます。
家一棟をつくる大きな木も、子どもの手のひらにのる小さなおもちゃも、同じ森から生まれた命であることに変わりはありません。今日のツアーで感じた森や木への親しみが、おうちでヒノキに触れるひとときにも、そっと重なってくれたら嬉しく思います。