2026.06.09
花粉症対策木材利用促進事業がはじまりました
花粉症対策木材利用促進事業が5月26日より公募されました。
詳しくはこちらのWEBサイトをご覧ください。> https://sugi-kafun.jp/
ところで、なぜ「花粉症対策木材利用促進事業」が必要なのでしょうか。

木を使うことが、花粉症対策につながる理由
春になると、多くの人がスギ花粉に悩まされます。日本では国民の約4割が花粉症を発症しているとも言われ、今や国民病の一つとなっています。
その原因の一つが、戦後に全国で大量に植林されたスギ人工林です。
戦後に植えられたスギが今、大量に成熟している
戦後の復興期、日本では住宅や建築資材を確保するために全国でスギやヒノキが植えられました。
植林されたスギは50~70年を経て成熟期を迎えています。しかし近年は輸入木材の普及や林業従事者の減少などにより、伐採と植え替えが十分に進んでいません。
その結果、花粉を大量に飛散させる成熟したスギ林が増え続けています。
花粉症対策のためには、こうした森林を計画的に伐採し、花粉の少ない品種への植え替えを進めることが重要です。
伐採するだけでは解決しない
しかし、森林を伐採しても、その木材の使い道がなければ林業は成り立ちません。
森林を維持するには、
- 木を育てる
- 伐採する
- 木材として利用する
- 再び植える
という循環が必要です。
木材の需要がなければ伐採が進まず、花粉の多い森林も減らすことができません。
そこで国は、住宅や建築物で国産スギ材の利用を促進するために「花粉症対策木材利用促進事業」を創設しました。
木を使うことが森林を守ることにつながる
住宅で国産スギ材を利用すると、
- 花粉の多い成熟林の伐採が進む
- 再造林が促進される
- 森林の若返りが進む
- 将来的な花粉発生量の削減につながる
という好循環が生まれます。
さらに、適切に管理された森林は土砂災害の防止や水源の保全、生物多様性の維持にも役立ちます。
つまり木を使うことは、単なる住宅建築ではなく、日本の森林環境を次世代へつなぐ取り組みでもあるのです。
国産材利用は脱炭素にも貢献
木は成長する過程で二酸化炭素(CO₂)を吸収し、炭素を内部に蓄えています。
住宅として木材を利用することで、その炭素は長期間固定されます。また、鉄やコンクリートと比較して製造時のエネルギー消費が少ないことから、建築物全体のCO₂排出量削減にも貢献します。
花粉症対策だけでなく、脱炭素社会の実現にもつながる取り組みとして注目されています。
未来の森林をつくるために
花粉症対策というと、マスクや薬を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、本質的な解決には花粉の発生源である森林そのものへの対策が欠かせません。
「花粉症対策木材利用促進事業」は、住宅で国産スギ材を活用することで、森林の循環利用を促し、将来の花粉発生量を減らしていくための取り組みです。
家づくりで木を選ぶことは、住まいの快適性だけでなく、日本の森林を守り、次世代の花粉症対策にもつながっています。
一棟の住宅に使われる木材には、そんな大きな社会的意義が込められているのです。